会社更生法は、窮境にあるが再建の見込みのある株式会社について、事業の維持・再建を目的として行われる手続きを定めています。
この法律の対象は株式会社のみです。
通常、会社更生法の申立に基づいて裁判所が財産保全命令を出し、管財人を任命します。
これに伴い、旧経営者は経営の権限を失うことになります。
管財人は、財産の処理権、経営権を掌握し、利害関係者の調整を行い、再建を目指します。
債権者は、担保権を有していても、競売などの権利行使は認められず、財産評定の結果認められた更生担保権の金額の範囲で配当を受けることになります。
更生法の適用を受けるためには、「窮境」にあるが再建の見込みのある株式会社であること、が必要です(会社更生法30条)。
窮境とは、具体的には、事業の継続に著しい支障をきたすことなく弁済期にある債務を弁済することができない場合、会社に破産の原因たる事実(支払不能、債務超過)の生ずるおそれがある場合です。
実際には、不渡手形を出す前か、一回日の不渡後、銀行取引停止処分を受ける前に申請する場合が多いようです。
会社更生の場合、他の倒産処理の場合に比べて、労働債権の保護規定は充実しています。
・賃金の支払い
更生開始決定前の未払賃金のうち、更生開始決定前6か月間の未払賃金は共益債権とされ、他の債権に先立ち通常どおり支払われます。
更生開始決定前6か月以上前の債権については、優先的更生債権とされ、更生手続きの中で、一般の更生債権に優先して支払われます。
更生開始決定後の賃金は、会社更生手続き遂行のために必要な債権(共益債権)として、更生手続きとは関係なく通常どおり支払われます。
・退職金の支払い
更生開始決定前に退職した人の未払退職金は、退職前6か月の賃金総額と退職金の3分の1の多い額が共益債権とされ、これを超える額は優先的更生債権となります。
更生開始決定後の退職については、自己都合の場合は、退職前6か月の賃金総額と退職金の3分の1の多い額が共益債権とされ、これを超える額の場合には優先的更生債権となり、会社都合の場合には、全額が共益債権となります。
更生計画認可後の退職については、規定による退職金を随時受けることができます。
なお、会社更生の場合、社内預金などの預かり金は、共益債権となります。
テーマ : 人事労務 - ジャンル : ビジネス
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