労働債権は先取特権として優先権がありますが、債権の保全・確保を怠っていると、他の債権者が会社の資産に抵当権を設定したり、債権の譲渡を受けたりして、せっかくの先取特権も意味がなくなる場合があります。
会社が倒産したときに、一般的には労働者としてまずやるべきことは次のようなことです。
・労働債権の確認
会社側に労働債権(未払賃金・退職金など)の確認をさせておくことです。
こうして労働債権の額が確定できれば、会社財産に対して差押えの準備にもなります。
・債権譲渡を受ける
会社の代表者と交渉して、会社が有している売掛金などの債権の譲渡を受ければ、迅速に労働債権の支払原資となる会社資産を確保することができます。
ただし、このためには、会社代表者と債権譲渡契約をする必要があり、また債権の譲渡通知を会社から第三債務者にしてもらう必要があります。
・法的手段による労働債権の確保
裁判手続きによる労働債権の確保には、先取特権に基づく差押えがあります。
しかし、急を要することで、証明資料が集まらない場合には、仮差押を検討します。
また、賃金仮払い・仮処分の申立てをすることもできます。
さらに、訴訟を起こし判決を得て強制執行をするという方法もありますが、先取特権は訴訟の判決を要することなく直ちに差押えができますので、先取特権に基づく差押えができないかを考えるべきです。
・その他の手段による労働債権の確保
場合によっては、会社の取締役個人(代表取締役を含む)あるいは親会社などの責任を追及し、これから労働債棒の回収ができる場合もあります。
こうした裁判手続きによる労働債棒の保全・確保は、専門家である弁護士に依頼するのがよいでしょう。
・未払賃金の立替払い制度の活用
未払賃金については、「賃金の支払の確保等に関する法律」による、未払賃金の立替払い制度
があります。
これは、倒産による未払賃金のうち、80パーセント(退職時の年齢に応じて上限がある)を労働福祉事業団が立替払いをしてくれるものです。
退職金の未払いにも適用されるほか、申立日から逆算して6か月前にさかのぽって請求することができます。
テーマ : 人事労務 - ジャンル : ビジネス
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