労使協定は、使用者と事業場の過半数の労働者で組織された労働組合または過半数を代表する者との間で締結した文書のことです。
労使協定には、労働基準法に定められた、いわゆる三六協定(時間外・休日労働に関する協定)や二四協定(賃金控除協定)、各種の変形労働時間制に関する協定、年次有給休暇の計画的付与に関する協定など、17種類の労使協定があります。
労使協定には、行政官庁への届出が必要なものと必要ないものがあります。
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●1ヶ月単位の変形労働時間制
1ヵ月以内の一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。
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労働基準法第32条の2;
「 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、一箇月以内の一定の期間を平均し一週間当たりの労働時間が前条第一項の労働時間を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
・・・・・」
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最長1ヵ月の1週あたりの平均労働時間が、1週あたりの法定労働時間の範囲内(40時間あるいは44時間)であれば、特定の日や週に法定労働時間を超えて労働をさせても時間外労働にはならず、割増賃金を支払う必要は無くなります。
隔日勤務、夜間勤務等のために採用されるほか、月始め、月末、特定の週等によって業務の繁閑の差がある場合にも利用が可能です。
・変形期間
変形期間は1ヶ月以内とされており、1ヶ月単位のほかに、4週間単位、20日単位等も可能です。
また、変形期間の長さとともにその起算日も明らかになるように定めておく必要があります。
・法定労働時間の総枠
変形労働時間制を採用した場合の、変形期間における法定労働時間の総枠は、次の式によって計算されます。
40(時間;特例適用事業場は44時間)×変形期間の暦日数/7
変形期間 |
法定労働時間が40時間 |
法定労働時間が44時間 |
30日の月 |
171.4時間 |
188.5時間 |
31日の月 |
177.1時間 |
194.8時間 |
4週間単位 |
160.0時間 |
176.0時間 |
10日単位 |
57.1時間 |
62.8時間 |
1週単位 |
40.0時間 |
44.0時間 |
・具体的な特定
1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する場合には、労使協定等により、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に特定する必要があります。
1ヶ月単位の変形労働時間制は、あらかじめ労使協定等で各日の労働時間が具体的に定められているものであり、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するようなものはこれに該当しません。
・時間外労働
1ヶ月単位の変形労働時間制を採用した場合には、次の時間が時間外労働となります。
1日について;
労使協定等により8時間を超える時間を定めた日はその時間、それ以外の日は8時間を超えて労働した時間
1週間について;
労使協定等により40時間を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週は40時間を超えて労働した時間(特例措置対象事業場にあっては44時間)
変形期間について;
変形期間における法定労働時間の総枠を超えて労働した時間(上記、1日についてまたは1週について時間外労働となる時間を除く)
なお、休日振替で時間外労働となる場合があります。
休日振替の結果、就業規則で1日8時間又は1週40時間を超える所定労働時間が設定されていない日又は週に1日8時間又は1週40時間を超えて労働させることになる場合には、その超える時間は時間外労働となります。
完全週休2日制を採用している場合に、ある週の休日を他の週に振り替えた場合、休日の規定との関係では問題ありませんが、例えば1日の休日を他の週に振り替えた場合には、当該週2日の休日があった週に8時間×6日=48時間労働させることになり、あらかじめ特定されていない週に週40時間を超えて労働させることになりますので8時間分は時間外労働となります。
・労使協定または就業規則その他これに準ずるものによる定め
1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する場合には、労使協定または就業規則その他これに準ずるものによって、この制度に関する規定を設ける必要があります。
就業規則その他これに準ずるものを選択した場合には、就業規則の作成義務がある規模10人以上の事業場では必ず就業規則にこの定めをしなければならず、それ以下の事業場については就業規則又はこれに準ずるもので定めをしなければなりません。
労使協定を選択した場合には、労使協定は過半数労働組合か労働者の過半数代表者が当事者となります。
使用者は、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する場合には、育児を行う者、老人等の介護を行う者等特別の配慮を要する者について、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならないこととされています。
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労働基準法施行規則第12条の6;
「 使用者は、法第三十二条の二・・・・・の五の規定により労働者に労働させる場合には、育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならない。」
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・労使協定で定めるべき事項
変形労働時間制を導入して初めて労働させる日(起算日)
対象期間内の各労働日と、各労働週の所定労働時間
対象期間内の各労働日の始業・終業時刻(出勤・退社の時刻)
各人ごとに、各日・各週の労働時間を終業期を区においてできる限り具体的に特定すべき必要がありますが、業務の実態から月ごとに勤務割を作成する必要がある場合には、終業規則において各直勤務の始業終業時刻、各直勤務の組合せの考え方、勤務割表の作成手続き及びその周知方法等を定め、それにしたがって各日ごとの勤務割を、変形期間の開始前までに具体的に特定すればよいとされています。
・労働基準監督署への届出
所轄労働基準監督署長への届出が必要になります。
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労働基準法第32条の2;
「 ・・・・・
2 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。」
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テーマ : 人事労務 - ジャンル : ビジネス
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