管理職のみで組織する労働組合から管理職手当の減額を交渉事項とする団体交渉の申入れがあったとき、団体交渉を拒否しても不当労働行為にならないか。
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労働組合法は、使用者は、使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒む行為をしてはならないと定めています。
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労働組合法第7条;
「 使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
・・・・・
二 使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。
・・・・・」
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この規定に違反して団体交渉を拒否した場合には、労働組合側は、不当労働行為として、労働委員会に救済を求めることができます。
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労働組合法第27条;
「 労働委員会は、使用者が第七条の規定に違反した旨の申立てを受けたときは、遅滞なく調査を行い、必要があると認めたときは、当該申立てが理由があるかどうかについて審問を行わなければならない。この場合において、審問の手続においては、当該使用者及び申立人に対し、証拠を提出し、証人に反対尋問をする充分な機会が与えられなければならない。
2 労働委員会は、前項の申立てが、行為の日(継続する行為にあつてはその終了した日)から一年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない。」
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ただし、このような救済を受けるためには、その前提として労働組合法上の労働組合と認められることが必要です。
会社において管理職に就いている者も、たとえ、その管理職が使用者の利益代表者と判断される者であっても、労働組合法に規定する労働者に含まれます。
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労働組合法第3条;
「この法律で労働者とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。」
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管理職のみをもって組織する団体も、憲法で規定する団結権・団交権・争議権を保障される労働組合ということになります。
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憲法第28条;
「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」
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しかし、憲法上、労働組合と認められる管理職組合が、当然に労働組合法が特に認めた利益を受けられる労働組合であるか否かについては、即断できません。
使用者の利益代表者の参加を許す組合は、使用者との関係において自主性を欠くとして労組法上の労働組合ではないとされているからです。
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労働組合法第2条;
「 この法律で労働組合とは、労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。但し、左の各号の一に該当するものは、この限りでない。
一 役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの
・・・・・」
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使用者の利益代表者の範囲は、一般に、その範囲をむやみに拡大して解釈すべきではなく、限定的、抑制的に判断すべきであるとされています。
会社の定める管理職がすべて利益代表者に該当するとは限りません。
また、ある一定の職名以上の労働者が一律に利益代表者になるというものでもありません。
具体的にのような場合が利益代表者になるかの判断はなかなかむずかしい問題で、結局のところ、労働者の担当する職務の実質的内容に即して、個別的・具体的に判断するほかはありません。
労働委員会や裁判所はその範囲を厳しく限る傾向にあります。
裁判例;
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中労委(セメダイン)事件(最高裁第1小決平成13.6.14)
「いわゆる管理職組合からの断交拒否に係る救済申し立てについて、当該組合を労組法上の組合と認定して使用者に断交応諾を命じた中労委命令を支持する原審判決を維持する。」
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したがって、使用者の利益代表者の参加を許す労働組合も労働組合法にいう労働者の代表者に含まれ、使用者は利益代表者の参加を理由として団交拒否できないと考えられます。
ただし、当該利益代表者が、当該交渉事項に関して使用者の機密事項を漏洩している場合など、適正な団体交渉が期待できないような特別の事情がある場合には、団交拒否の正当な理由となりえます。
テーマ : 人事労務 - ジャンル : ビジネス
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