パートタイム労働者とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者です。
より広く、勤め先の呼称がパートである者というとらえ方もあります。
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●経緯
これまでの雇用システムは、フルタイム正社員を中心としたいわゆる長期雇用システムでした。
正社員は、広範な配転や転勤に応ずるなどの強い拘束性を甘受する見返りとして、年功処遇や雇用保障といった安心感を手に入れてきました。
パートタイム労働者等の非正社員は、このシステムの中でいわば雇用調整の位置づけとして雇用されてきました。
業績が悪化した時には、これら非正社員の解雇や雇い止めを行うことにより、正社員の雇用をできるかぎり維持してきたのです。
しかし状況は大きく変化し、激しい国際経済環境の変化の下で、正社員の強
固な雇用保障や年功的処遇システムにも変革を迫られています。
また、仕事一辺倒ではない生き方をしたいなど、若年層の正社員の働き方は多様化しています。
今日、パート労働者は約1200万人に上り、中小企業でもパート労働者を雇用されていないところは皆無と言えます。
パートタイム労働者を雇用している理由は、主に「人件費の節約のため」、「景気変動に応じて雇用量を調節するため」などコスト要因に基づくもの、「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」、「長い営業(操業)時間に対応するため」など業務内容の特性や変化に基づくもののようです。
一方、短時間パートに現在の就業形態を選択した理由は、「自分の都合のよい時間に働けるから」、「家計の補助、学費等を得るため」、「勤務時間や労働日数が短いから」、「家庭生活や他の活動と両立しやすいから」など、時間的な自由度を積極的に評価する者が多いようです。
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●処遇
・短時間労働者も通常の労働法が適用され、さらに労働の特殊性によりさらにパート労働法が適用されます。
平成5年6月18日に、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、いわゆるパート労働法が制定されました。
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短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成五年法律第76号)
「(目的)
第一条 この法律は、短時間労働者が我が国の経済社会において果たす役割の重要性にかんがみ、短時間労働者について、その適正な労働条件の確保及び教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善に関する措置、職業能力の開発及び向上等に関する措置等を講ずることにより、短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もってその福祉の増進を図ることを目的とする。」
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事業主による雇用管理改善が法律上の努力義務として規定され、賃金等については基本指針において、就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努めるものとされました。
都道府県労働局、21 世紀職業財団等の活動を通じて、パート労働法や指針についての周知、短時間雇用管理者の選任、助成金の支給や相談援助の実施等の施策が行われています。
平成19年6月1日に、少子高齢化、労働力人口減少社会で、パート労働者が能力を一層有効に発揮することができる雇用環境を整備するため、パートタイム労働法が改正されました。
2008年4月1日から施行され、正社員並パートの平等処遇と差別禁止が規定されました。
賃金の決め方を正社員と同じようにする、働き方に応じて賃金決定方法や教育訓練の努力義務が規定されました。
・一定の条件のパートは社会保険に加入させる必要があります。
健康保険・厚生年金
その事業所の通常の労働者の労働時間・労働日数のおおむね3/4以上勤務し、常用的な雇用関係がある場合、加入する必要があります。
雇用保険
1週間の所定労働時間が20時間以上あり、1年以上引き続き雇用されることが見込まれる場合、加入する必要があります。
なお、1週間の勤務が30時間以上になる労働者は、パートやアルバイトとしてではなく、正社員として加入することになります。
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●現状
パートのウェイトの増大に伴って、従来正社員がやってきた仕事にパート等が組み込まれ、基幹的な役割を持つ層が増大していると思われます。
パートが補助的仕事に留まっているうちはある種の安定性を持っていましたが、パートがそれなりにスキル、経験を蓄積し、基幹的な役割を担う働き方を
するようになると、企業は正社員を極力絞り、パート等非正社員で対応するという動きを強めることとなります。
しかし、パートの所定内給与を時間換算で正社員と比較すると男性で5割強、女性で7割弱の水準で、賃金の格差は拡大しているようです。
賃金(所定内給与)以外の労働条件についても、賞与・退職金制度の適用を受ける正社員は9割を超えるのに対してパートはそれぞれ4割強、1割弱等、正社員とパートの状況には大きな差があります。
パートの賃金は、一般的に補助的で代替可能な仕事を想定しているため、採用賃金も地域の相場に応じたいわゆる市場賃金の色彩が強く、その後勤続を重ねても傾向として賃金がフラットな仕組みとなっているためです。
企業にとって、パートへのシフトは短期的にはコスト削減をもたらしますが、中長期的には顧客に対するサービスや業務運営能率の面でのマイナスとなったり、責任範囲の増大等により正社員が多忙となり、部下の育成に時間が割けないため長期的な人材育成に障害が生じるという問題があるようです。
パートにとっても、基幹化により一時的労働にとどまらず職場での就労期間が長くなるにつれて賃金格差への不満は高まる傾向にあります。
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●今後
このような中で、パート労働をめぐる諸問題は、ますます正社員を含めた労働市場全体に波及する問題となりつつあります。
これまでのわが国の雇用システムは、やや単純化すれば、残業や配転などの拘束性は高いが雇用保障や高い処遇に守られたフルタイム正社員グループと、自由度は高いが雇用保障が不安定で低い処遇のパートを含めた非正社員のグループという二者択一の構図が続いてきました。
しかし、働く側の意識は変化しており、もっと多様な選択肢があり、またライフステージに応じて柔軟に働き方を変えられる多元的なシステムが求められています。
・ある程度は基幹的な仕事をフルタイムや短時間で行う形態
・さまざまな働き方を納得して選択できる働きに応じた処遇
・ライフステージに応じて柔軟に行き来できる連続的仕組み
テーマ : 人事労務 - ジャンル : ビジネス