内定は、始期付解約権留保付労働契約と呼ばれる一種の労働契約のことです。
新卒者にとっての内定と、転職者にとっての内定とは、やや意味が異なります。
新卒に対する内定は、次年度からその会社で働いてほしい、という意志表示であり、企業間の取り決め=倫理憲章上は10月までは正式内定ではなく内々定となります。
転職の場合には内定と内々定との差はなく、内定の時点であなたを正式に雇用することを約束します、という意味になります。
●法的解釈
裁判所の見解では,採用内定は「始期付解約権留保付労働契約」と呼ばれます。
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「来年の4月1日から働きはじめる」という始期が設定されており、さらに、「卒業できなかったなどのあらかじめ取り決めてあった取り消し理由があれば解約できる」という解約権留保がついている労働契約であると考えられます。
(最高裁判所判決;昭和54年7月20日大日本印刷事件)
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つまり、始期付解約権留保付労働契約とは「勤務開始時期を明示し、企業にそれを取り消す権利を保留させる労働契約」のことです。
この場合、解約=内定取消は一般にある解雇と同程度のものであると解されます。
解雇は、事業または事業所に使用され賃金を支払われる労働者が労働契約を解除され、現在の身分を失うことです。
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効とされます。
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労働基準法第18条の2;
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」
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ただし、労働契約が満了した時や自ら退職を申し出た時は解雇にあたりません。
●内定辞退
内定辞退とは、企業側が内定通知を出し本人も一度承諾した後で、転職希望者本人の都合で取り消すことを言います。
憲法第22条によって職業選択の自由が定められていて、就職の自由が優先されるため、内定辞退には通常問題はありません。
しかし入社直前に内定辞退した場合において、本人のために行った入社前研修や本人のために準備した備品などがある際には、損害賠償を求められる可能性もあります。
民法627条によれば、雇われる側から労働契約を解除することは2週間の予告期間を置くことで可能です。
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民法第627条;
「当事者カ雇傭ノ期間ヲ定メサリシトキハ各当事者ハ何時ニテモ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得此場合ニ於テハ雇傭ハ解約申入ノ後二週間ヲ経過シタルニ因リテ終了ス
期間ヲ以テ報酬ヲ定メタル場合ニ於テハ解約ノ申入ハ次期以後ニ対シテ之ヲ為スコトヲ得但其申入ハ当期ノ前半ニ於テ之ヲ為スコトヲ要ス」
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したがって、原則として、仕事をやめることは自由であると言えます。
しかし、あまりにも信義則を欠く形で解除がなされた時は、例外的に不法行為責任などを問われる可能性はありえます。
ただし、通常の内定関係にすぎないのであればそのような問題はないと考えられます。
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