最低賃金制とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとされている制度です。
現在、最低賃金のほとんどは審議会方式によって決定されており、賃金の実態調査結果など各種統計資料を十分に参考にしながら審議が行われ、労働者の生計費、類似の労働者の賃金、通常の事業の賃金支払能力の3要素を考慮して決定(改正)されています。
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最低賃金法第1条
「この法律は、賃金の低廉な労働者について、事業若しくは職業の種類又は地域に応じ、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」
最低賃金法第3条
「最低賃金は、労働者の生計費、類似の労働者の賃金及び通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。」
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●最低賃金の種類
最低賃金には、下記のように地域別最低賃金と産業別最低賃金の2種類があります。
・地域別最低賃金
地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、すべての労働者とその使用者に適用される最低賃金として、各都道府県ごとに設定されます。
地域別最低賃金の金額は、都道府県労働局長が、改正を必要と認める場合に、地方最低賃金審議会に諮問し、同審議会の意見(答申)を尊重して決定されます。
例:××県最低賃金
・産業別最低賃金
産業別最低賃金は、関係労使が、基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を必要と認めるものについて設定されるものです。
産業別最低賃金の金額は、関係労使の申出を受けて、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が、決定(改正)の必要性を最低賃金審議会に諮問し、必要との意見が出された場合に、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が最低賃金審議会に諮問し、同審議会の意見(答申)を尊重して決定(改定)します。
例:××県××製造業最低賃金
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最低賃金法第4条
「最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。以下同じ。)は、時間、日、週又は月によつて定めるものとする。
2 賃金が通常出来高払制その他の請負制で定められている場合であつて、前項の規定によることが不適当であると認められるときは、同項の規定にかかわらず、厚生労働省令で定めるところにより最低賃金額を定めることができる。」
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なお、地域別と産業別の両方の最低賃金が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
●最低賃金の効力
仮に最低賃金額より低い賃金を労使合意の上で定めても、それは法律により無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。
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最低賃金法第5条
「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。
2 最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で、最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす。
3 次に掲げる賃金は、前2項に規定する賃金に算入しない。
1.1月をこえない期間ごとに支払われる賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるもの
2.通常の労働時間又は労働日の賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるもの
3.当該最低賃金において算入しないことを定める賃金
4 第1項及び第2項の規定は、労働者がその都合により所定労働時間若しくは所定労働日の労働をしなかつた場合又は使用者が正当な理由により労働者に所定労働時間若しくは所定労働日の労働をさせなかつた場合において、労働しなかつた時間又は日に対応する限度で賃金を支払わないことを妨げるものてはない。」
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●最低賃金の適用
最低賃金は、原則として事業場で働く常用・臨時・パート・アルバイトなど雇用形態や呼称の如何を問わずすべての労働者とその使用者に適用されます。
しかし、一般の労働者と労働能力などが異なるため最低賃金を一律に適用すると、かえって雇用機会を狭める可能性がある労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の適用除外が認められています。
最低賃金の適用除外を受けられる労働者は
・精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
・試の使用期間中の者
・職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうちの一定のもの
所定労働時間の特に短い者
軽易な業務に従事する者
断続的労働に従事する者
となっています。
なお、適用除外許可を受けようとする使用者は、それぞれの所定様式による申請書2通を作成し、所轄の労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に提出しする必要があります。
●対象となる賃金
通常の労働時間、労働日に対応する賃金に限られます。
実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものです。
・臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
・1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
・所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(所定外割増賃金など)
・所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
・午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
・精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
●最低賃金額の確認
地域別最低賃金については平成14年度改正時から、産業別最低賃金については平成15年度改正時から、それぞれ日額が廃止され時間額のみの表示となりました。
実際の賃金が最低賃金額以上となっているかどうかは、次の方法で比較します。
・時間給(地域別最低賃金の場合)
時間給≧最低賃金額(時間額)
・日給(地域別最低賃金の場合)
日給÷所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
・週給・月給等(地域別最低賃金の場合)
賃金額を時間当たりの金額に換算し最低賃金(時間額)と比較
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