人事考課制度とは、仕事の成果とそのプロセスを評価するもので、個人の持つ能力をどれだけ発揮したかを評価するものです。
賃金の決め方としてどの制度を採用するかで、人事制度も大きく変わってきます。
賃金の決め方には、職務の価値給と職務の成果給を中心とした職務基準賃金と、年功給・職能給などの属性基準賃金があります。
前者は職務を中心に構成され、賃金は仕事に対して決定されるのに対して、後者は属性を中心に構成され、賃金は能力や年功に対して決定されます。
人事考課は公平に、かつ厳格に行われなければならないことはいうまでもありません。
適正な人材評価によって、力のある人の努力と成果に報います。
人事考課の結果は、賞与の算定、定期昇給、昇格・昇進の決定に用いられます。
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●退職金とは
法律上は事業主と労働者との間で何の取り決めもなければ、退職金を支払わなければならなくてよいことになっています。
しかし、いったん就業規則等で退職金制度を導入すると、事業主は規定どおりの退職金を支払わなければならなくなります。
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労働基準法第89条;
第3項の2項に規程があります。
「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の
時期並びに昇給に関する事項
三 退職に関する事項
三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項」(昭44法64・昭62法99・平10法112・一部改正)
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退職金規定を設けると、退職金も賃金債権になります。
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次の通達があります。
「退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は、原則として賃金とみなさない。ただし、退職金、結婚祝金等であって、労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件の明確なものはこの限りでない。」
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したがって、退職金を減額したり、あるいは退職金制度そのものを廃止してしまうことは、労働者にとって不利益な労働条件の変更に該当し、原則的には全ての労働者の同意がないとできないことになっています。
●積立方法
退職金の支払いを準備しておく積立方法には、社内積立方法と社外積立方法の二つがあります。
・社内積立方法は、退職金の支給原資を社内で積み立てる方法です。
この場合、会社は退職金を現預金や借入金でまかないます。
この方法には、従来は退職給与引当金制度という税制上の優遇措置があったのですが、平成14年3月で廃止になりました。
過去に退職給与引当金として計上していた金額を、大法人は4年間で、中小法人は10年間で取り崩さなければならなくなりました。
この期間、現金収入のない益金が発生するということになりました。
・社外積立方法は、退職金の支払い原資を社外で積立てる方法です。
税制適格退職年金(いわゆる適年)
適格年金は平成24年に廃止されます。
それまでの間に他の制度に移換あるいは解約しなければなりません。
厚生年金基金
確定給付企業年金
確定拠出企業年金
中小企業退職金共済(いわゆる中退共)
特定退職金共済
の6つがあります。
また、半額損金扱いの生命保険を利用するという方法もあります。
前4者は年金、残りは一時金です。
また、退職を支給事由にするものと、老齢を支給事由にするものに分けることができます。
●支払い
賃金債権であれば通貨で、直接、全額払いとなります。
ただし、一定の場合には異なった支払い方法が許されています。
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労働基準法第24条第1項;
「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。」
厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合;
○賃金又は退職手当の支払いについて(則7条の2、1項2項)
労働者の同意を得た場合には
(イ) 当該労働者が指定する銀行その他金融機関に対する当該労働者の預金若しくは貯金への振込
(ロ) 労働者が指定する証券会社に対する当該労働者の預かり金(一定の要件を満たすものに限る)への振込
「同意」とは、労働者の意思に基づくものである限りその形式は問わないものであり、「指定」とは、労働者が賃金の振込対照として銀行その他の金融機関に対する当該労働者本人名義の預貯金口座を指定する意味であって、この指定が行われれば同項の同意が特段の事情のない限り得られているものであるとされています。
また、「振込」とは、振り込まれた賃金の全額が所定の賃金支払日に払い出し得るように行われることを要します。(昭和63年基発1号)
○退職手当の支払いについて(則7条の2、2項)
労働者の同意を得た場合には、前記の方法による他に以下の方法によることができます。
(イ)銀行その他の金融機関によって振り出された小切手の交付
(ロ)銀行その他の金融機関が支払保証をした小切手の交付
(ハ)郵便為替の交付
「同意」については、労働者の意思に基づくものである限り、その形式は問いません。
「その他の金融機関」とは、小切手法の適用につき銀行と同視されるものを言います。
「郵便為替」には、普通為替、電信為替及び定額小為替があります(昭和63年基発1号)。
●問題点
現在の退職金制度には、次のような問題点があります。
・ 極端な右肩上がりになっていて従業員の高齢化に対応できない
・ 自己都合退職係数がきつく定年まで辞めるなということになるが、そんな時代ではない
・ 基本給を基礎給にしているが将来の退職金がいくらになるのか予測がつかない
・ 貢献度を反映していないため勤務年数で大きく左右され、在職中の貢献度が反映されていない
退職金制度(支払方法)の見直しと、退職金準備(積立方法)の見直しが必要ではないでしょうか。
退職時の基本給に勤続年数に対して二次曲線的に増加する係数を乗じて退職金を計算する方式を採用している企業が7割強を占めています。
退職金に在籍中の功労報奨の意味を持たせるのであれば、この退職時基本給連動方式は導入すべきではありません。
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