法律上の扱いは、事業主と労働者との間で何の取り決めもなければ退職金を支払わなければならなくてよいことになっています。
しかし、いったん就業規則等で退職金制度を導入すると、事業主は規定どおりの退職金を支払わなければならなくなります。
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(労働基準法第89条3の2項)
「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合も同様とする。
三 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項」
(通達)
「退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は、原則として賃金とみなさない。ただし、退職金、結婚祝金等であって、労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件の明確なものはこの限りでない。」
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現在、約90%の企業が退職金制度を実施しています。
従業員数1,000人以上の大企業の実施率は、ほとんど100%に近い数字になっています。
30〜99人の中小企業になると、約15%が退職金制度を実施していません。
これ以下の中小企業の実施率はさらに数字が小さくなっています。
退職金の準備形態を見ると、退職一時金のみが約50%、退職一時金と退職年金の併用が約30%、退職年金のみが約20%になっています。
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一般的に退職金制度は、退職金規定や退職年金規定によってその内容が決められています。
したがって、退職金規定を設けると退職金も賃金債権になります。
就業規則を作成する際、記載すべき事項を一つ一つ詳しく記載すると、就業規則の分量が多くなります。
また、毎年の物価変動等から賃金に関する部分の規程改定が少なくありません。
そこで、労働基準法では、細かい規程となりやすい賃金、退職金などについては、就業規則の別規定として賃金規程、退職金規程などとして作成してよいことになっています。
なお、賃金規程も就業規則の一部分ですので、作成、変更については、就業規則と同じ手続きが必要です。
●退職金規定
退職金規定で多くの会社が取り上げている項目は、次の通りです。
・退職金制度の目的
・適用範囲
・退職金の算定方法
・支給対象除外期間
・支給制限
・勤続年数の計算方法
・端数計算
・特別功労加算金
・支払いの期日、支払方法
・債務の弁済
・死亡時の退職金の支払い
●積立の方法
退職金の支払いを準備しておく積立方法には、社内積立方法と社外積立方法の二つがあります。
・社内積立方法
退職金の支給原資を社内で積み立てる方法です。
・社外積立方法
退職金の支払い原資を社外で積立てる方法です。
主に、税制適格退職年金(いわゆる適年)、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出企業年金、中小企業退職金共済(いわゆる中退共)、特定退職金共済の6つがあります。
*適年については、平成14年4月1日からの確定給付企業年金法の施行に伴って、平成24年3月31日までに、廃止するか(平成24年4月1日以降は、税制優遇措置がなくなる)、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金(企業型)、中小企業退職金共済制度などの企業年金制度に移行しなければならないことになっています。
●制度の種類
支払方法による分類です。
・退職一時金制度
基本給連動方式、別テーブル方式、定額方式、点数方式(ポイント制)があります。
・退職年金制度
従業員が退職時に退職金を年金で受け取る制度です。
税制適格退職年金(いわゆる適年)、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金(企業型)があります。
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