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Author:ishiym
 何年も前に社会保険労務士、行政書士の資格を取得し、現在、千葉県社会保険労務士会会員です。
 これから開業の準備のため、基礎知識の整理と業務内容の研究をしておきたいと思います。

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2007/03/13 (Tue) 12:26
労災保険の概要

●労災保険とは

 正しくは「労働者災害補償保険法」といい、法律で定められた保険制度です。この保険制度は公的医療保険とは異なり、使用者が労働者への災害補償を行うための保険制度です。

 まず前提として、労働基準法に次の規定があります。
 
「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。
2.前項に規定する業務上の疾病及び療養の範囲は、厚生労働省令で定める。」(労働基準法第75条)

 使用者には労働者の災害補償義務がありますが、労災保険から給付を受けられる場合は使用者はその補償の責を免れるとされています。

 労災保険から給付を受けられない場合は使用者はその補償の責を免れることができません。

 労災保険から給付を受けられる場合とは?

「労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、適正な労働条件の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。」(労働者災害補償保険法第1条)

 この保険制度の管理・運営(管掌)は、政府(厚生労働省)が行うこととされ、基本的には、労働基準法が適用される事業が対象となります。

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●業務上の疾病及び療養の範囲

 ではどんな場合に災害補償が行われるのでしょうか。

 労働者災害補償保険法施行規則第35条別表第1の2に次の規定があります。

「1.業務上の負傷による疾病  
 2.物理的因子による疾病(紫外線にさらされる業務による皮膚疾患、電離放射線にさらされる業務による急性放射線症等)  
 3.身体に過度の負担のかかる作業態様による疾病(白ろう秒、筋肉・骨の疾患)  
 4.科学物質等による疾病(すず・うるし等にさらされる業務による皮膚疾患等)  
 5.粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症等の疾病  
 6.細菌、ウイルス等の病原体による疾病  
 7.がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程における業務による疾病  
 8.その他中央労働基準監督審議会の議を経て労働大臣の指定する疾病  
 9.その他業務に起因する疾病」

 これを整理すると次のようになります。

 1.業務災害(仕事が原因となって生じた負傷、病気、障害又は死亡)
 2.通勤災害(通勤が原因となって生じた負傷、病気、障害又は死亡)

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●労災保険に加入する事業所

「この法律においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。」(労働者災害補償保険法第3条)

 つまり、すべての事業所です。

但し、同居の親族のみを使用する事業や家事使用人などは対象となりません。

 労災保険は強制適用で、一般的な保険のように加入手続きして保険関係が成立するのとは異なり、適用要件が生ずれば保険関係が成立したことになります。

 事業が保険関係成立の届けをしていなくとも労災保険の適用を受けることになります。
 
 例外;労災保険法に代わる法律が定められているものです。

 国の直営事業

 官公署の事業(労働基準法(昭和22年法律第49号)別表第1に掲げる事業を除く。)

 使用労働者数5人未満の農林水産事業の一部(任意適用事業)

 船員保険法(昭和14年法律第73号)第17条の規定による船員保険の被保険者(船員保険法 第17条)

労災保険に代わる制度が定められている適用除外事業及び任意適用事業を除いては、労働者を使用する事業は全て労災保険の適用を受けます。

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●適用を受ける労働者

「職業の種類を問わず、前条の事業又は事務所(適用事業)に使用される者で賃金を支払われる者をいう。」(労働基準法第9条)

 つまり、会社に労務を提供してその対価として賃金が支払われていれば労働者ということになります。

たとえ労働基準法の適用を逃れるために委託契約書などを作成してあっても、実態として勤務時間を拘束したり具合的な指揮命令などをしていれば労働者と認められます。

 労働者の判断基準;次の規準で判断されます。

1.労働提供の形態が指揮監督下の労働であること
 a.仕事の以来、業務従事の指示等に対し諾否の自由があるかどうか
 b.業務遂行上の指揮監督の有無

2.報酬が労務の対価として支払われていること
 a.報酬の性格が使用者の指揮監督の下に一定時間労働を提供していることの対価と判断されるかどうか

3.判断を補強する材料
 a.事業者性の有無
 b.専属性の程度

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●労災保険給付の概要

1.療養のため休業する場合

 休業(補償)給付

 傷病(補償)給付

2.障害が残った場合その程度に応じ

 障害(補償)給付

 障害(補償)一時金

3.被災労働者が死亡した場合

 遺族(補償)年金

 遺族(補償)一時金

 葬祭料(葬祭給付)

4.常時または随時介護を要する場合

 介護(補償)給付

5.脳・心臓疾患に関連する異常所見

 二次健康診断等給付

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●不服申立(審査請求、行政訴訟)

 被災労働者又は遺族が、労働基準監督署長が行った保険給付に関する決定(支給・不支給)に対して不服がある場合には、都道府県労働局に置かれている労働者災害補償保険審査官に不服申立て(審査請求)をすることができます。

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●労働福祉事業の概要

 社会復帰促進事業 (義肢等の支給、労災病院の設置・運営等)

 被災労働者等援護事業 (特別支給金、労災就学等援護費の支給等)

 安全衛生確保事業 (労働災害防止対策の実施、産業医学の振興等)

 労働条件確保事業 (未払賃金の立替払事業等)

テーマ : 起業・独立への道 - ジャンル : ビジネス


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